実家じまいに使える補助金・助成金まとめ【大阪版・2026年版】

実家じまいに使える補助金・助成金まとめ【大阪市・府内自治体対応・2026年版】

「実家を片付けて売却しようとしたら、解体費用だけで150万円と言われた」——こういった話は珍しくありません。親が亡くなったあとに残った実家を処分する際、費用の重さに驚いて手が止まってしまう方が多くいます。

ところが、実家じまいには国・大阪府・各市区の補助金や税制優遇制度が複数存在します。うまく組み合わせれば、解体費用の半額以上を補助金でカバーできるケースもあります。問題は「どこに何の制度があるか」「いつ申請すればいいか」が非常に分かりにくい点です。

この記事では、補助金・助成金・税制優遇制度に絞って詳細に解説します。業者の選び方は実家じまい業者の選び方、費用の全体像は実家じまいの費用相場と内訳、作業の流れは実家じまいの手順・流れをご参照ください。

※本記事の補助金情報は2026年6月時点のものです。制度の詳細・申請条件・上限額は各自治体の窓口または公式サイトで必ずご確認ください。

✅ ポイント
補助金制度は「知っているだけで数十万円変わる」情報です。着工前に申請・承認を受けることが絶対条件。業者を決める前に必ず自治体窓口に相談しましょう。
目次

補助金を活用すると実家じまいの費用はどれだけ下がるか(試算例)

解体・売却対象となる実家の外観
大阪市内・木造2階建て・延床30坪クラスの実家では補助金で解体費の大部分を賄えるケースもあります

実感を持ってもらうために、まず試算例を示します。

モデルケース:大阪市内・木造2階建て・延床30坪の実家を解体・売却するケース

解体前の総費用(補助金なし)

項目 費用目安
遺品整理・荷物撤去 25〜40万円
建物解体工事 120〜180万円
測量・登記費用 10〜20万円
仲介手数料(売却時) 売却価格の3%+6万円
合計(解体まで) 155〜240万円

補助金・税制優遇を適用した場合

制度 軽減額の目安
大阪市空き家解体補助金(上限額目安) ▲50〜100万円
3,000万円特別控除(売却益がある場合) 譲渡所得税ゼロ〜大幅減
固定資産税優遇廃止前の売却タイミング調整 年間数万円の税額差
実質負担の変化 解体費用の30〜60%を圧縮できるケースも

「申請するかしないか」で数十万〜百万円単位の差が生まれることは事実です。補助金制度を知らずに業者を手配してしまい、後から「申請できたのに」と後悔するケースが後を絶ちません。

国の空き家対策制度(空家特措法・3,000万円特別控除・固定資産税の優遇)

空家特措法(空家等対策の推進に関する特別措置法)の改正ポイント

2023年に改正された空家特措法は、空き家を所有する人に大きな影響を与えます。特に注意すべき点は「管理不全空家」への指定リスクです。

⚠️ 注意
改正後:「管理不全空家」に指定されると固定資産税が最大6倍に!
従来は「特定空家」(著しく危険な状態)のみが対象でしたが、改正後は「管理不全空家」でも自治体の勧告を受けると住宅用地特例が解除されます。放置は厳禁です。

早期に実家じまいを進めるほど税負担を抑えられるということです。空家特措法は補助金を直接支給する制度ではありませんが、この法律の存在が各自治体の解体補助金制度の根拠になっています。国土交通省のポータルサイト「空き家対策総合支援サイト」では、全国の補助金制度を自治体別に検索できます。

相続空き家の3,000万円特別控除(租税特別措置法35条の3)

実家を相続後に売却する場合、一定条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。売却益が大きい物件ほど節税効果が高くなります。

主な適用要件(概要)

要件 内容
相続した住宅であること 被相続人が居住していた家屋
建築時期 1981年5月31日以前の建築(旧耐震基準)または取壊し後の更地として売却
売却価格 1億円以下
相続開始から売却まで 原則3年を経過する年の12月31日まで
売却時の状態 耐震リフォームを行った上での売却、または解体して更地で売却
利用状況 居住・貸付・事業への利用がないこと(相続開始直前まで被相続人以外が利用していないこと)

2024年の税制改正で、譲渡後に買主が耐震改修または解体を行う場合も適用可能になりました(売主が直接工事しなくてもよい)。これにより、古い実家を「現況のまま売却」しても控除を受けやすくなっています。

✅ ポイント
3,000万円特別控除は確定申告が必要です。税理士への相談を強くお勧めします。国税庁のコールセンター(0120-742-477)でも概要確認ができます。

空き家の固定資産税・相続税に関する特例のまとめ

  • 住宅用地特例:建物が存在する土地は固定資産税評価額が最大1/6に軽減。建物を解体すると特例が失われ、税額が上がることがある(売却と解体のタイミング調整が重要)。
  • 相続税の小規模宅地等の特例:一定要件を満たす居住用宅地は相続税評価額を最大80%減額(330㎡まで)。空き家になると要件を満たさなくなる場合があるため、相続直後の手続きが重要。
  • 固定資産税の減額申告:被災や老朽化に伴う取り壊しの場合、一部自治体で特例申告ができる場合があります。

大阪府・大阪市・各区の補助金制度一覧(解体補助・リフォーム補助等)

補助金申請に必要な書類・申請書類のイメージ
補助金申請には複数の書類が必要です。着工前に必ず自治体窓口へ相談を

大阪では、府・市・各市区が独自の補助金制度を設けています。以下は2026年6月時点の主な制度をまとめた一覧です。詳細条件・申請期間・予算枠は年度ごとに変わるため、必ず各自治体窓口にご確認ください。

大阪市の空き家関連補助金(目安)

制度名 補助対象 補助率・上限額(目安) 問い合わせ先
大阪市老朽空き家除却補助 危険老朽建築物の解体撤去費用 費用の1/2、上限50〜100万円程度 各区建築指導担当
大阪市空き家活用リノベーション補助 空き家を賃貸・移住者向けに改修する費用 費用の1/2、上限100〜150万円程度 住まい情報センター
大阪市民間建築物耐震改修等補助 旧耐震建築物の耐震診断・改修費用 診断は無料〜低額、改修は上限あり 建設局耐震対策室

大阪市の老朽空き家除却補助は予算枠があり、年度途中で受付終了になることがあります。年度始まりの4月〜5月に申請するのが安全です。

大阪府内主要市の補助金(目安)

自治体 制度名 対象 補助上限(目安)
堺市 老朽危険空き家解体撤去補助 危険度が高い空き家の解体 50万円程度
東大阪市 空き家解体補助金 市内の空き家解体費用 30〜50万円程度
枚方市 老朽危険空き家除却促進補助 特定空家等に準ずる老朽建築物 50万円程度
豊中市 空き家除却費補助 危険老朽空き家の解体 50〜80万円程度
吹田市 老朽空き家除却補助金 危険な老朽空き家 50万円程度
高槻市 老朽危険空き家除却補助 特定空家に準ずるもの 50万円程度
八尾市 空き家除却補助 老朽化した空き家 30〜50万円程度
寝屋川市 空き家活用・除却補助 解体または活用改修 30〜50万円程度

※上記はすべて目安です。年度・予算状況により上限・補助率が変わります。

補助金申請の前に確認すべき3つのポイント

① 危険度・老朽度の判定が前提になる制度が多い

大阪市の老朽空き家除却補助など多くの制度は、「危険老朽建築物」としての認定が申請の前提条件になっています。自治体が現地調査を行い、基準点数を超えなければ対象外となります。築年数だけでなく、傾き・外壁剥落・雨漏り・シロアリ被害などが評価項目になります。

② 着工前の申請が絶対条件

工事を始めてから補助金の存在を知っても手遅れです。補助金はすべて「工事着工前に申請・承認を受けること」が条件です。業者との契約前に自治体窓口へ相談してください。

③ 補助金は業者への直接払いではなく、申請者への精算払いが基本

補助金は一般的に「工事完了後に申請者(所有者)へ振り込まれる」仕組みです。工事費用は一時的に自己資金で立て替える必要があります。業者が「補助金分を差し引いた金額で契約する」と言う場合は詐欺的な手口の可能性があるため注意してください。

補助金申請の手順と必要書類(ステップ形式)

補助金の申請は「知っている人がやれば難しくない」手続きです。ただし、ステップを踏み間違えると受給できなくなるため、順序を守ることが最重要です。

1
自治体の窓口で事前相談(申請の2〜3か月前が目安)
まず対象物件の所在地の自治体(市区の建築指導課・住宅政策課・空き家対策担当窓口)へ電話または来庁して相談します。この段階で確認すること:
・該当する補助金制度の有無と今年度の申請受付状況
・補助対象となる条件(危険度判定が必要か等)
・必要書類のリスト
・申請から承認までの期間(通常1〜2か月)

大阪市の場合、住まい情報センター(06-6242-1160)でも空き家関連の総合相談ができます。

2
現地調査・危険度判定(自治体が実施)
多くの制度で、自治体職員または委託業者による現地調査が行われます。この結果をもとに「補助対象かどうか」が判定されます。調査には所有者(または相続人)の立会いが必要な場合があります。
3
業者の見積もりを取得
自治体から補助対象の仮内諾を得た後、解体業者2〜3社から見積もりを取ります。補助金申請には「2社以上の見積書」を求める自治体もあります。見積もり依頼の際は「補助金申請があること」を業者に伝え、書類作成に協力してもらえるか確認してください。
4
補助金申請書の提出(着工前)
申請書類を揃えて自治体窓口へ提出します。一般的に必要な書類は以下のとおりです。
書類 内容・備考
補助金申請書(自治体所定の様式) 窓口またはウェブサイトで入手
建物の登記事項証明書 法務局で取得(600円/通
固定資産税評価証明書または課税明細書 市区役所で取得
建物の位置図・案内図 住宅地図のコピーで可
建物の現況写真 外観・室内・損傷箇所を複数枚
解体工事の見積書 2〜3社分を求められる場合あり
申請者の本人確認書類 運転免許証・マイナンバーカード等
相続関係書類(相続人が申請する場合) 戸籍謄本・相続関係説明図等
委任状(代理申請の場合) 所定様式または任意様式
⚠️ 注意
書類の不備は申請却下の最大原因です。提出前に担当窓口でチェックしてもらうことを強くお勧めします。
5
承認通知の受領→工事発注→着工
自治体から補助金交付決定通知書が届いてから、初めて業者と正式契約・着工できます。この順序を逆にすると補助金が受け取れません。
6
工事完了後の実績報告・精算申請
工事完了後、以下の書類を提出して補助金が振り込まれます。
・工事完了報告書(自治体所定様式)
・工事完了写真(着工前・施工中・完了後)
・工事請負契約書のコピー
・領収書または工事代金支払確認書

振込まで通常1〜2か月かかります。工事業者との支払い条件(支払いタイミング)をあらかじめ調整しておきましょう。

補助金申請で失敗するケース5選と対策

大阪遺品整理センターが支援した案件の中で、補助金申請に失敗したケースのパターンをまとめました。同じ過ちを繰り返さないための参考にしてください。

失敗ケース①:解体業者を先に決めて着工してしまった

状況:急いで実家を片付けたいと思い、解体業者と契約して着工してから「補助金があったらしい」と気づいた。

なぜ失敗するか:補助金はすべて「着工前の申請・承認」が条件。工事後の申請は一切受け付けられません。

対策:業者への見積もり依頼は「補助金申請の進捗確認後」に行う。契約書にサインする前に必ず自治体窓口に相談を。

失敗ケース②:所有者名義の確認を怠った

状況:親が亡くなった後、相続登記をしないまま補助金を申請しようとしたが、名義が亡くなった親のままで申請できなかった。

なぜ失敗するか:補助金申請者は原則として「所有者」本人。相続登記が完了していないと申請できない自治体がほとんどです。

対策:実家じまいを検討し始めた段階で、まず相続登記の完了を確認する。2024年4月から相続登記が義務化されているため、早期対応が必須。

失敗ケース③:年度末ギリギリに申請して予算枠が終わっていた

状況:年度末の2月に申請したところ、その年度の補助金予算が既に終了しており、受け付けてもらえなかった。

なぜ失敗するか:補助金には年間の予算枠があり、申請が集中する時期(年度初め・年度末)は早期に締め切られることがあります。

対策補助金申請は4〜6月の年度初めに行うのが最善。遅くとも11月には申請を済ませる。

失敗ケース④:「危険度判定」の基準を満たさなかった

状況:「古い実家だから補助金が使えると思った」と申請したが、現地調査の結果、老朽度が基準点数に達せず対象外と判定された。

なぜ失敗するか:補助金の多くは危険老朽空き家が対象。築年数だけでなく、損傷・傾斜・危険度を総合評価します。

対策:申請前に自治体窓口へ現況写真を持参して「補助対象になりそうか」を事前確認する。「とりあえず申請」より「確認してから申請」が正解。

失敗ケース⑤:相続人全員の同意を得ていなかった

状況:兄弟が複数いる相続で、申請者以外の相続人が同意書へのサインを拒否したため申請できなかった。

なぜ失敗するか:補助金申請には「不動産所有者(相続人全員)の同意」が必要な場合があります。一人でも反対があると申請が止まります。

対策:実家じまいの方針を決める前に相続人全員で話し合いの場を設ける。相続人間の調整が難しい場合は行政書士や弁護士に相談することを検討する。

補助金以外の費用軽減策(税制優遇・業者交渉・不用品買取活用)

遺品整理・不用品整理後の片付いた室内
遺品整理と買取をセットで依頼することで、荷物撤去費を大幅に節約できる場合があります

補助金の申請が難しいケースでも、費用を抑える方法は他にもあります。費用全体の詳細な節約方法については実家じまいの費用相場と内訳をご参照ください。

不用品の買取・リサイクルを活用して荷物撤去費を下げる

遺品整理の費用の大部分は「荷物の量」で決まります。家具・家電・骨董品・貴金属など、買取価値があるものをあらかじめ査定に出すことで、処分費用から買取金額を差し引いてもらえることがあります。特に「遺品整理+買取」をセットで行う業者に依頼すると、トータルコストが下がるケースがあります。

不動産の「空き家バンク」登録で改修補助を受ける

解体せずに売却や賃貸を検討している場合、自治体の空き家バンクへの登録を通じて、リフォーム補助金を受けられる制度がある自治体があります。大阪市の空き家活用リノベーション補助などが該当します。解体費よりもリフォーム費用の補助を受けて、賃貸収入を得る選択肢も考えられます。

確定申告での経費計上(相続した不動産の取得費加算)

相続した不動産を売却した際に支払った相続税の一部を、譲渡所得の「取得費」として計上できる特例があります(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例)。これにより、売却益に対する税金を減らせる場合があります。相続開始から3年10か月以内の売却が要件です。

法務局の「相続土地国庫帰属制度」(2023年4月開始)

相続した土地を国に引き渡せる新制度です。一定要件を満たす土地(建物がないこと・抵当権がないこと等)を国に帰属させることで、固定資産税や管理費の負担から解放されます。建物解体後の更地について活用できる可能性があります。ただし審査料・負担金(10年分の管理費相当)が必要で、すべての土地が対象になるわけではありません。

よくある質問(FAQ)

賃貸として使っていた実家でも解体補助金は申請できますか?

多くの自治体の補助金は「居住用(または元居住用)の空き家」を対象としています。賃貸物件だった建物でも、現在空き家状態になっていれば対象になるケースはありますが、制度によって条件が異なります。自治体の窓口で物件の履歴(賃貸歴の有無)を含めて相談することをお勧めします。

補助金の申請は自分でできますか?それとも業者に任せるべきですか?

補助金申請自体は所有者(または相続人)が行うものですが、書類収集や申請書の記入は行政書士に依頼することもできます(費用の目安:3〜10万円)。解体業者が書類作成をサポートしてくれる場合もありますが、業者が申請者の代わりに申請することはできません(代理申請は行政書士の独占業務)。まず自治体窓口で必要書類リストをもらい、自分でできそうか判断してください。

3,000万円特別控除と解体補助金は同時に使えますか?

基本的には両方を組み合わせることが可能です。解体補助金は工事費の一部を自治体が負担する制度、3,000万円特別控除は売却時の譲渡所得税を軽減する制度であり、それぞれ別の制度です。ただし、補助金を受けた工事費用を確定申告でどのように処理するかについては、税理士に確認することをお勧めします。補助金収入の申告漏れにもご注意ください。

実家が「特定空家」に指定されたら補助金はもらえなくなりますか?

逆です。「特定空家」や「管理不全空家」に指定されると固定資産税の優遇が外れて税負担が増えますが、自治体によっては特定空家の除却(解体)に対して手厚い補助金を設けているケースもあります。指定を受けた後でも補助金申請できる場合があるため、まず窓口に相談してください。ただし、勧告・命令→行政代執行というプロセスに入ってしまうと自己負担で費用を請求されることもあるため、指定前に自主的に動くことが最善です。

大阪市外に実家がある場合、大阪市の補助金は使えますか?

補助金は原則として物件の所在地の自治体に申請します。実家が堺市にあれば堺市、東大阪市にあれば東大阪市の制度を調べてください。申請者(相続人)の居住地は関係ありません。大阪市に住んでいても、物件が市外であれば大阪市の補助金は使えません。

実家じまいを補助金フル活用で進めたい方へ

補助金制度は「知っているだけで数十万円変わる」情報です。一方で、制度の詳細は毎年変わり、各自治体によって対象・上限・条件がすべて異なります。

大阪遺品整理センターでは、補助金申請の経験がある審査済み業者のみを紹介しています。業者選びと同時に「どの補助金が使えそうか」を業者に確認できるため、申請漏れを防ぎやすくなります。相談は無料です。

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この記事のまとめ

  • 実家じまいでは国(3,000万円特別控除・空家特措法)・大阪府・各市区の補助金を組み合わせることで費用を大幅に軽減できる
  • 補助金申請は着工前が絶対条件。業者を決める前に自治体窓口へ相談する
  • 大阪市内では老朽空き家除却補助(目安:上限50〜100万円)が代表的な制度
  • 申請失敗の最大原因は「着工後の申請」「書類不備」「年度末の予算切れ」の3つ
  • 補助金以外にも税制優遇・不用品買取・国庫帰属制度などの費用軽減策がある

実家じまいの全体的な流れについては実家じまいとは?完全ガイド(ピラー)で解説しています。手順の詳細は実家じまいの手順・流れをご確認ください。

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